11月19日(金)行政書士の川原修さんを講師にお迎えして、
名作劇紙芝居「瞼(まぶた)の母」で学ぶ~シニアライフと法律~の講座を開催しました。
出典 雲母書房
「瞼(まぶた)の母」の話はご存じですか?
主人公は、江州番場の生まれの忠太郎。
幼いころに生き別れになった母との再会を望みながら旅を続ける旅烏。
江戸をさまよい歩き、ようやく捜しあてた産みの母であるお浜は、柳橋料亭の女将
となっていました。
念願かない、母親に会うことができた忠太郎は母お浜に自分が息子であることを告げるのですが、息子の忠太郎は子どもの頃に死んだはずだと言い自分の子どもだと認めません。
さらに、忠太郎の風貌から堅気(かたぎ)の人間ではないと判断し、あろうことか
「お金目当てのかたりだね!」と言い放ち忠太郎の心を深く傷つけるのでした。
母を慕ってやっとの思いでたどり着いた忠太郎は心を打ちひしがれ絶望し、その場から立ち去って行きました。
それを聞いた異父兄妹のお登勢は、せっかくはるばる母親に会いに来た兄への冷たい仕打ちを責め、忠太郎を捜し出し母親であることを伝えるべきだと説得しました。
お登勢の言葉に心動かされたお浜は、お登勢と共に必死に忠太郎を捜しまわるのですが、
忠太郎の姿はありません。二人が必死に捜しまわる姿をススキの影から見ていた忠太郎。
「俺の母親はもうどこにもいない。両の瞼を閉じれば懐かしいおっ母さんの顔が浮かんでくる。」とふたたび、あてのない旅へ出るのでした。
さてさて、ここからが本題です
★なぜ母親であるお浜は、忠太郎を息子と認めずに「カタリだね」と冷たく
言い放ったのでしょうか? → 現代で言うオレオレ詐欺!!を疑った?
お浜は、再婚し料亭の女将になっていました。ご主人を亡くしそれ相応の遺産も相続していたことでしょう。そんな時に、幼いころに別れた息子が現れたのですから、自分の財産を狙い息子のふりをして近づいてきた詐欺師だと疑ってしまったのでしょう。
今の世の中、高齢者を狙う悪徳商法が増加しています。
子を想う親心を利用して大金を奪う「オレオレ詐欺」を疑ったとしても仕方がないのかもしれませんね。
教訓①
息子を名乗るおかしな電話には「お前さん カタリだね」で撃退!
★番場の忠太郎は料亭「水熊」の遺産を相続できるのか? → 遺言書は大事です!
忠太郎はお浜の子ではありますが、「水熊」の主人とは何の血縁関係もありません。
ですが、水熊の主人が忠太郎をとても気に入り料亭を譲りたいと思ったらどうしたらよいのでしょうか?
遺言書により遺贈することが可能です!
血縁関係がなくても、遺贈という形で忠太郎に相続させることが出来ます!
遺贈(いぞう)とは、遺言によって、遺贈者(遺産を贈る側)の財産の全部または一部を
受遺者(遺産を受ける側)に無償で譲与することを言います。
大切な人や、この人に相続してもらいたいと思う人の為にも、その気持ちを遺言という形で
残しておくことが重要なのです。
教訓②
遺言は愛する人への最後のラブレター
残された人たちが争わなくてもよいように
まだまだ長生きするぞ~という前向きな気持ちと、毎日を明るく元気に過ごし
これからの人生を謳歌(おうか)するぞ~と生き生きと日々をお過ごしの皆さん。
でも、明日何が起こるかわからないのも人生です。
「遺言なんて縁起でもない!」と思わずに、残された大切な人達が困らないように今のうちから備えておくことが優しさであり、愛情なんだなと改めて感じました。
教訓③
三途の川かなぁと思ったら ターン引き返す!
川原先生のお知り合いの高齢の女性の方が水泳を習い始められたそうです。
家族や周囲の人達は、もう年だし危ないからやめなさいと泳ぐことを反対されたそうですが、「泳ぎを練習して、三途の川を泳いで引き返してくるよ!」
とみんなに宣言されているそうです😊なんとも頼もしい限りですね❣
何かを始めるの時に、「今更ね~」とか「もう年だから」とか言い訳をして
やりたいことをあきらめてはもったいないですね💦
まずは、やりたいことを見つけること、一日一日を大切に過ごすことを目標に
大切な人たちに何を伝えたいか、何を残したいのか考えてみたいと思います。
今回のお話を聴いて、私もエンディングノートを作ってみようかな😉と思いました。
《 おまけ 》
前回のふれあい学級で作成した、寅の置物が出来上がってきました!
ななかまどさんが色を付けてくださって、こんなに素敵な作品になりましたよ😊
さてさて、あの「ウナギイヌ」もどきはどうなったかと言うと・・・